価値変動しやすく高額な絵画の先物取引について

価格変動しやすい商品の将来を予測して売買する

私達の身の回りには価格変動がしやすい商品が色々存在しています。

例えば野菜や果物などの食品はその年の自然環境に応じて収穫量が全く異なります。たくさん収穫できた時には安く出回ってしまうこともありますし、収穫量が激減すると価格が高騰する場合もあります。あまりにも価格変動が激しいと生産者はその時に応じて収入が大きく変わることになりますし、消費者は安定した供給を受けることができない状況になります。

そこで安定した価格で出回り、安定供給を目指す方法として発展したのが先物取引です。

先物取引は価格変動のリスクを最小限に抑える方法として考えられたもので、先物市場において事前に受け渡しをする価格と量、時期などの約束をしておくことをいいます。近い将来の取引を事前に行っておくことで、需要と供給のバランスをあらかじめ把握しておくことができる面もあります。

投資の対象となる品物って?

先物取引は、価格変動するものであれば投資ができるため、様々な市場が存在します。

東京商品取引所」に商品登録されている代表的な銘柄であれば、小豆やトウモロコシ、米といった農作物をはじめ、金やパラジウムといった鉱物なども該当します。このほかにも、原油やガソリン、ゴムなども先物取引の銘柄として扱われています。

ちなみに、絵画や骨董品といった美術品の類に関しても、価値の変動が激しく高額で売買されることから、先物のように投資の対象となることがあります。実際、アーティストによっては作品が高額で取引されることも多く、国内においても美術品買取の専門業者は多く存在します。

リスク管理を徹底する

先物取引を行う際にはリスクについてもしっかり確認しておかなければいけません。

リスクがゼロの先物取引はあり得ないため、常に万が一の時を想定して行動することをおすすめします。先物取引の専門用語として買いヘッジと売りヘッジがあります。将来的には値上がりするかもしれないものを値上がり前の価格で購入することを約束している場合は買いヘッジを行うことになります。

例えば、今後は値上がりすると予想したガソリンが現在の価格は130円だった場合(以降もリッターあたりの単価)、この値段で半年後も買うと先物取引で約束をします。予想通り半年後には値上がりをして150円になった場合でも先物取引をしていたおかげにより130円で購入できたという結果が買いヘッジになります。

値上がりのリスクをあらかじめ予測していたおかげで、20円得をしたという結果になります。

値下がりするかもしれないと予測していたものを値下がり前の価格で売る約束を交わすのが売りヘッジになります。先ほどのガソリンの場合、現在は130円でも近い将来には値下がりすると予想できるなら、消費者としては有り難い話でもガソリンスタンド側の意見としては値下がり前の値段で販売し続けるのが良いと思うのも当然です。

そこで半年後も値下がり前の130円で販売することを約束するのが売りヘッジです。半年後には予想通り120円になっていたものの、あらかじめ130円で売ることを約束していたので今までどおりの130円で販売できるようになります。

このように買いヘッジと売りヘッジのタイミングをしっかり見極めながら、実際にどんな先物取引を実践するのかを考えてください。先物取引なので売り買いのどちらも取引することができるため、リスク管理を徹底していれば決して難しい方法ではないと考えられます。