ネット証券と総合証券、その違いは?

ネット証券の最大のメリットは手数料が低いこと

株式の売買を仲介する証券会社ですが、これは総合証券会社とネット証券会社の2つに大きく分けることができます。
総合証券会社とは野村證券や大和証券といった店舗型運営をしている会社のことであり、ネット証券会社とはSBI証券や楽天証券のようなインターネットで取引が完結する会社です。

もともと証券会社として運営をされてきたのは実店舗型運営を行う総合証券会社のみであり、それがのちにインターネットが普及したことにより大きく業界に変化が起こりました。

総合証券会社の中にも大手証券、準大手証券、中堅証券、中小証券といった分類があり、サービスの内容により名称が異なります。
総合証券の中でも大手証券と言われているのは全部で5つしかなく、五大証券として他の証券会社とは区別された存在になっています。

すなわち野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJ証券HDの5つで、リテール(一般向け売買)だけでなく投資銀行業務といった大規模な金融商品の扱いまでフルサービスで行っています。

一方のネット証券が登場し始めたのは1990年代後半からのことで、1999年に株式売買の手数料が自由化されたことにより爆発的にネット証券会社が登場してきました。

ネット証券がそれまでの総合証券と大きく異なるのはこの手数料の安さであり、人件費や店舗運営のための固定費がないぶん、それまでの総合証券の手数料の1/10程度にまで下げることができました。

総合証券に向いている人

これから全くゼロから株式売買を始めようという人ならば、最初に口座を開設するのはネット証券が圧倒的にお得です。

ネット証券が登場してから既に20年以上が経過していることもあり、かつて欠点と言われてきたようなネット証券のサービス不足も補われ初心者でも便利に利用ができます。

しかし総合証券にもネット証券にない大きなメリットが有ります。
総合証券の強みは古くから人を介在させた営業方法をとってきたことであり、五大証券のような大手証券会社の場合はグループ内に保険会社や銀行があることから総合的な資産形成を相談できます。

既に銀行内に多くの資産があるような人の場合、節税対策や資産運用の一つとして総合証券で担当者に相談をすることでより有効な方法を見つけられます。
一般向けにとってはやや敷居が高いのが総合証券なのですが、高額納税者の多くは長年懇意にしている証券会社の担当者がいます。

ネット証券では基本的に情報収集も売買も自分の責任になりますので、素人判断で失敗をしないためにアドバイス料として高い手数料を支払うというのも一つの考え方です。

総合証券の多くではネット証券にはない細やかなサービスが提供されているので、より細かく長期的な資産運用をして行きたい人はぜひ利用をしてみてください。