不動産投資、42.7%が「年金の代わり」

老後の備えとして考える人が多い

日本の将来は一体どうなってしまうのだろうか?と不安を感じさせる原因になっているのが年金問題です。高齢者を支えるべき若い世代が少ないこと、年金不払いする人が後を絶たないこと、年金を受け取る年齢が先延ばしされる傾向にあることなど様々な要因が重なって年金に対する不信感が広がっています。このような状況から、老後は年金だけに頼る生活では不安を感じ、自分で何とかして老後の備えをしておかなければいけないという考え方が定着しています。

老後の備えとして最適だと注目されているのが不動産投資です。実際に不動産投資をしている人のうち42.7%が年金の代わりとして不動産投資を始めたと回答しています。将来に不安を感じているからこそ、安定した収入が期待できる不動産投資が着目されています。

人気のある投資先って?

老後の蓄えとして不動産投資に着手している人は、40代や50代のサラリーマンや主婦が多くなっています。これらの層に人気のある不動産は、一棟マンションのような小口で投資できる物件です。実際、一棟マンションは300万円前後の金額から始められるうえ、都内を中心に初心者向けの投資セミナーが数多く開催されています。これから投資をスタートするサラリーマンや主婦にとって、この着手のしやすさが人気の秘訣だと言えるでしょう。

また、都内では「投資家向けの一棟マンション」も数多く建てられているほか、それらを扱う不動産会社もたくさんあります。実際に投資先を考える際には、これらの不動産会社が提供する情報を参考にするのもいいでしょう。

リスクに対する意識

不動産投資は安定収入が期待できると言われているのは、リスクに対する考え方によるものです。様々な投資商品の中でも株式投資や外貨投資などはリスクが高いとされています。不動産投資についても投資金額が高額になる場合が多いためリスクが高めだと言えますが、余程のことがない限りは失敗のリスクは少ない方だと言われておりミドルまたはロークラスのリスクだと考えている人が多いです。では実際のところ本当にリスクが少ないものなのかというと、一昔前ほどではないもののリスクの可能性はゼロではないことがわかります。

かつて、バブルが崩壊した時には不動産投資を行っていた人の中で大失敗をして後悔をする人が続出しました。当時は物件を安く買って高く売るというキャピタルゲイン目的の不動産投資が中心だったため、バブル期のピーク時にはこの恩恵を受けてかなり設けていた方も多かったですが、バブル崩壊と共に物件価格が急下落したため大損害を被った人が続出したのです。そのため当時の出来事を知っている人達は、不動産投資なんてリスクが高い投資をするなんてとんでもないと考えるのも致し方ないことでしょう。

現在は購入した物件を賃貸することで家賃収入を得て長い期間をかけて利益を得るインカムゲイン目的の投資が一般的です。老後の収入が少なくなった時に家賃収入として毎月安定した収入があれば安心できると考えることができるため、年金代わりに不動産投資を始める方が多いのです。

とはいえ、空き室が発生した時や今後不動産市場が変化した時のリスクを全く考えないわけにはいきません。空き室が生じた場合には素早く次の入居者を探さなければいけませんし、不動産市場の動向にも注目しなければいけません。これらのリスクに対する対策も十分に練っておかなければ、年金の代わりとして機能させることが難しくなるので十分ご注意ください。