減収「ワースト10企業」ランキング

3年以上減収が続く上場企業は約170社

長引く不景気の影響から、苦しい業績が続いている企業も少なくありません。
上場企業のうち3年以上の減収をい計上しているのは約170社であり、中でも地方都市を中心に展開している小売店や百貨店などの流通業者が苦戦していることが目立ちます。

2015年度の決算で減収年数が長い企業ワースト10は以下のようになっています。
1.山陽百貨店(8257)
2.横浜丸魚(8045)
3.さいか屋(8254)
4.小僧寿し(9973)
5.文教堂グループホールディングス(9978)
6.シャルレ(9885)
7.新星堂(7415:2016年2月18日で上場廃止)
8.ジーンズメイト(7448)
9.JEUGIA(9826)
10.夢みつけ隊(2673)

これらはいずれも小売業もしくは卸売業であり、横浜丸魚とシャルレ以外は全て小売業であるということからも現在の業界の様子がよくわかります。

2016年初頭に入った大きなニュースとして新星堂の上場廃止がありましたが、これは東証ジャスダックに上場しているワンダーコーポレーション(3344)に吸収合併をされるためのものでした。

ここ近年の上場廃止案件の特長は倒産が多いということで、地方のあまり売上額の高くないスーパーが負債額の低い小規模倒産をするケースが多いことも特長的です。

スーパー・書店は今後も苦戦が予想されます

ここ近年で最も売上が落ち込んでいる業界として挙げられるのが「書籍・雑誌小売業」です。
これはAmazonによる書籍のインターネット販売が一般化したことに加え、スマートフォンやタブレット端末の普及により紙媒体によらない書籍販売が伸びたことが大きな要因です。

全国にある書籍・雑誌小売業のうち、増収となった企業は全体のわずか2割にとどまっており都市部の大手書店が次々と撤退しています。

書店業界トップである紀伊國屋書店は非上場企業ではありますが、こうした大手は書店業界では珍しくほとんどが中小・零細企業として営業していることもまた業績の低下の一因です。

今後も決定的な打開は期待ができないことから、新星堂のように他のサービス展開をしている企業と合併をするなど生き残りをかけた企業運営が迫られることでしょう。

書店に次いで大幅な業界再編が行われているのがスーパーマーケットです。
現在GMS(総合スーパー)大手としてトップに君臨しているのがイオンですが、地方の小規模なスーパーは非常に苦しい運営を迫られているのが現状です。

地方郊外への出店が大幅に進められた時には非常に勢いがあったイオンも2016年2月期の決算では大幅な減益となっており、新たな経営打開策をとっていく時期に差し掛かっていると言えます。