日本株の「曜日効果」を検証

曜日によって異なるアノマリー

日本の株価を確認してみると、曜日によって変化が生じている場合があります。
いわゆる曜日効果と呼ばれるものですが、様々な説が存在しています。
一般的には月曜日は安いとか週の中頃から週末にかけて高くなるなどの説が存在しており、正直なところ何が正しいのかわからないと感じる方も多いはずです。
本当に曜日効果のアノマリーは正しいのかを確かめるために、日本株の曜日効果を検証した結果をご紹介します。

その年によって異なる場合がある

過去30年間の日経平均で曜日ごとの平均騰落率を算出してみたところ面白い結果が出ました。

参考:日本株の曜日効果を検証してみたら

グラフ化してみるとよくわかるのですが、確かに月曜日は安くなっていて、水曜日と木曜日がピークになって週末にかけて高くなっている様子がわかる印象を受けます。
しかし、その年によっては異なるケースもあるため、必ずしも曜日効果が該当するとは限らない時があることがわかりました。

過去30年間のデータから、月曜日は確かに収益が低くなると予想される株安現象が見られるものの、過去10年間で確認してみるとわずかなマイナス数値であることがわかります。
以前は明らかなマイナスだったのが、最近はわずかにマイナスになる程度だと考えた方が良いのかもしれません。
また週末にかけて株高になるという説に関しても、確かに週末にかけて株高になっている傾向はあるものの、過去10年間のデータでは金曜日に収益性が低くなっていることから週末は株高になるという説は通用しなくなってきたといえるかもしれません。

最近は以前の曜日効果で言われていた現象が逆になってしまうこともあるため、必ずしも曜日効果の考え方にこだわりすぎない方が良いと言われています。
曜日効果のアノマリーはあくまでも説明できない通説として考えるようにして、自分自身で検証した結果に基づき判断することをおすすめします。

実際に曜日効果は使えるものなのか?

曜日効果のアノマリーを信用し、月曜日に買って水曜日または木曜日に売るという戦略は果たして使えるものなのかという検証結果も出ています。
曜日効果が確かなのであれば、単純に最も安いとされる月曜日に買って、上昇すると思われる水曜日や木曜日に売るのが良いと考えることができます。

10年分で曜日効果による結果を検証してみたところ、確かに利益がでるという結果が出たものの、売買コストを考えるとほとんど意味がない結果になることがわかりました。
また、コストがかからないことを仮定しても、10年かけても若干増える程度で日経平均のリターンを考えても大幅に下回ってしまうという結果に終わっています。
このような結果から、曜日効果だけを信用して取引を行っても良い結果が出ないと考えることができます。